風力発電で携帯電話を充電できるタクシーは本当にエコロジーなのか?
京都のタクシー会社エコロ二十一が、風力発電装置を利用した携帯電話充電装置をタクシーに導入するらしい。
基本的な話としては、走行中に風力発電装置で発電した電気を蓄電器(充電式電池?)に充電しておき、これを携帯電話の充電用に使ってもらおう、という話のようだ。
一見すると大変環境にやさしいように見えるが、本当にこれはエコロジーなのか?
そこでシガーライターソケットから充電する場合と比較してみたいと思う。
基本的にすべての自動車は車載の蓄電池を備えており、エンジン始動の際はこの蓄電池からの電力でセルモーターを駆動させるが、それ以外の場合はエンジンと連動しているダイナモ(発電機)で作った電気で蓄電池を充電し、車載コンピュータやカーナビ等の設備を動作させている。シガーライターソケットへの給電も基本的にはこの電力系統から来ている。
ここでシガーライターソケットから携帯電話の充電用にごく少々の電力をいただいたとしても、全体に対する負荷は大きく変化することはないだろう。
つぎに風力発電装置を設置する場合について考えてみよう。
風力発電装置というのは風の力でフィンを回し、その回転力をダイナモに伝えて発電する。しかしこの風力発電装置は車の空気抵抗を考えると確実に抵抗を増す要因になる。もしも車両の稼働時間の大半において携帯電話の充電が行われないとしたら、この空気抵抗の増加は単なる燃費の悪化を招くだけである。
もちろん燃費の悪化はたいした数値ではないだろう。しかし長いスパンで考えるとそれなりに無視できない数値となるかもしれなし。
それだったら、シガーライターソケットから充電用に電力を取るほうがよほどよいのではないか。充電器を使わないときは装置をはずしておけば車内の電力系に対して何の影響も与えないのだから。