まず最初に結論から書く。記録層に達する傷やレーベル面側の傷がなければ、修復できる可能性がある。
ある製品の評価でWindows2000をインストールする必要が出てきたのでMSDNのWindows2000(Japanese)を取り出してみると、いつの間にか傷が入っていて、まともに読めない状態となっていた。特に外周部の傷が酷く、約2ミリの幅で円周方向にスクラッチ(引っ掻き)傷が入っていた。たぶんノートパソコンの光学ドライブにセットしたメディアが不完全な形で固定されていて、ディスクの回転でトレイと干渉して傷が入ったのだと思う。
こういう場合はMSDNの専用サイトにアクセスしてISOイメージをダウンロードするという手があるのだが、残念なことに手元のMSDNは2002年にライセンス購入した製品のため、専用サイトには当然ログインできない。
そこで問題のディスクを改めて観察すると、幸いなことに傷は記録面には達していないように見える。記録面に達しているならディスクは絶対に復旧できないが、そうでないなら樹脂層を傷が消えるまで大雑把に研磨して仕上げ磨きをすればよいはずだ。
そう思っているところに自動ディスク修復&クリーニング機なるものを発見したので試してみることにした。
説明書によるとこのキットでは「修復」「研磨」「洗浄」の3つを行うことができるらしいが、説明書の出来があまりよくないので簡単にまとめる。
■傷はほとんど無く、指紋等の汚れが付着している場合
「洗浄用ユニット」で表面の汚れを落とす。
■ごく浅い傷の場合
「修復用ユニット」で表面を磨くことで問題解消できる可能性がある。これで解消できない場合は「深い傷」の手順を行う。
■深い傷の場合
最初に「研磨用ユニット」を行って傷を消した後に、「修復用ユニット」を行う。説明書によると「研磨」+「修復」を2回行っても問題解消できない場合は、そのディスクはダメということらしい。
それでは問題の結果だが、作業開始前はディスクそのものをまったく認識できなかったのが、「研磨」+「修復」2回の実施により、正常に読み出せない部分が外周部の20%程度となった。しかしこれでは問題が解決したとは言えない。
そこで今度は研磨用ユニットを手に持って傷の場所をある程度手作業で研磨してから装置で研磨し、ポリッシュしてみた。すると今度は正常に読み出せない部分が外周部の5%程度まで減った。
この時点でディスクをよく見ると、外周部の円周方向に小さい傷がいくつか残っているのが判った。そこで、この傷をさらに手作業で可能な限り消してから「修復」で仕上げてみると、ディスクをなんとか正常に読めるようになった。