pslaboが試したことの記録

はてなダイヤリーからはてなブログに引っ越してきました

この日記は現在実行中の減量記録を含む個人的なメモとして始めましたが、最近はコンピュータやガジェット、ハック、セキュリティネタのほうがメインになっております。

はてなダイヤリー時代はカテゴリ分けが適当だったのですが、これはそのうち直します。


OpenWrt ベースのルータ GL.iNet GL-MT1300 レビュー(有線部分の性能測定)

OpenWrt を市販ルーターで利用する場合は技術基準適合証明の問題があるので Wi-Fi 利用が憚られますが、最初から OpenWrt ベースのファームウェアを利用すれば技適の問題を気にせずに利用できるという認識です。

そこで適切な製品を探していた所、GL.iNet の製品は技適を通っているようなので、GL-MT1300 を試してみることにしました。これは本来はトラベルルータなので LAN 側の NIC が 2 つしかないなど、据え置き用として利用する場合に口が足りない場合は Hub が必須です。

Amazon の販売ページには「技適番号:R 018-210044」の記載がありますし、この番号で総務省のページの記載が確認できます。これならベンダーが提供するファームウェアを用いる限り、特に心配なく利用できそうです。

https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=jg01_01&PC=018&TC=N&PK=1&FN=210222N018&SN=%94F%8F%D8&LN=26&R1=*****&R2=*****

とりあえず、Wi-Fi 側の性能測定は後回しにして、有線LANのWAN - LAN 間のスループットや、有線LANの内部側と DS-Lite のパフォーマンスをざっくり測ってみました。

雑感

  • デフォルトの管理 UI は、GL.iNet のオリジナルの UI です。ただし ssh でログインしてみると OpenWrt のログインメッセージが表示されることを確認しました。
  • デフォルトでは WAN 側の IPv6 は無効のため、IPv6 IPoE で利用したい場合は IPv6 を有効化する必要があります。
  • 標準の管理 UI には DS-Lite の設定項目はありません。Luci UI を別途インストールし、Luci から設定する必要があります。
  • 管理UI の「高級機能」メニューから Luci をインストールすれば、OpenWrt の Luci UI が利用できるようになります。

  • OpenWrt を搭載しているとはいいつつも、ソフトウェアダウンロード用のサイトは GL.iNet が運用するサーバです。OpenWrt のサイトからダウンロードしているわけではありません。

  • そして GL.iNet のサーバーは IPv6 に対応していないため、DS-Lite をインストールするために IPv4 でインターネットに接続できる環境が必要です。すでに何かのインフラがある場合は特に問題ありませんが、そうではない場合はスマホテザリングするなどして必要なソフトウェアのインストールを行う必要があります。

WAN - LAN のスループット

フレッツ光ホームゲートウェイの WAN 側に設置した PC で iperf3 をサーバーモードで実行し (iperf3 -s) 、LAN 側の PC から iperf3 のクライアントで接続しました (iperf3 -c サーバのIPアドレス)

Connecting to host 192.168.1.6, port 5201
[  5] local 192.168.8.160 port 61798 connected to 192.168.1.6 port 5201
[ ID] Interval           Transfer     Bitrate
[  5]   0.00-1.00   sec   109 MBytes   915 Mbits/sec                  
[  5]   1.00-2.00   sec   108 MBytes   908 Mbits/sec                  
[  5]   2.00-3.00   sec   109 MBytes   917 Mbits/sec                  
[  5]   3.00-4.00   sec   111 MBytes   932 Mbits/sec                  
[  5]   4.00-5.00   sec   110 MBytes   924 Mbits/sec                  
[  5]   5.00-6.00   sec   111 MBytes   927 Mbits/sec                  
[  5]   6.00-7.00   sec   108 MBytes   904 Mbits/sec                  
[  5]   7.00-8.00   sec   105 MBytes   882 Mbits/sec                  
[  5]   8.00-9.00   sec   106 MBytes   888 Mbits/sec                  
[  5]   9.00-10.00  sec   103 MBytes   868 Mbits/sec                  
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
[ ID] Interval           Transfer     Bitrate
[  5]   0.00-10.00  sec  1.06 GBytes   907 Mbits/sec                  sender
[  5]   0.00-10.00  sec  1.06 GBytes   907 Mbits/sec                  receiv

これくらいのスループットが出ていれば悪くないと思います。

DS-Liteスループット測定

日曜日の夜にSpeedtest CLI で計測してみました。

   Speedtest by Ookla

     Server: Rakuten Mobile, Inc - Tokyo (id = 24333)
        ISP: Internet Multifeed Co.
    Latency:    10.66 ms   (1.12 ms jitter)
   Download:   272.99 Mbps (data used: 403.6 MB)                               
     Upload:    86.51 Mbps (data used: 119.2 MB)                               
Packet Loss:     0.0%

できればもうちょっとスピードが出て欲しい気もしますが、実用上の問題は、あまりなさそうに思います。

というわけで、少なくとも WAN-LAN 間のスループットは全く問題ないので、技適の問題を気にせずに OpenWrt を利用したい場合の選択肢としては悪くないように思います。

ただし、私の手元で Luci UI をインストールして環境構築していたら Wi-Fi が認識できない状況が発生しました。無線の設定は標準の UI と Luci の UI で整合性が取れないように見受けられました。とりあえず設定を初期化し、無線の設定は標準の UI 側だけで操作したところ問題なく設定できましたが、この手のトラブルを楽しみつつ自力で問題解決できるスキルの方には向くと思いますが、そういうのが苦手な方は手を出さないほうが良いかもしれません。

もっとも、OpenWrt 自体、初心者向けではないと思うので、この程度のトラブルを自力で対処できない方向きではないことは間違いないですけど。