充電端子がMagSafeやMagSafe2のMacBookではそれなりの年数にわたって使い込んでいると純正ACアダプタのケーブルの被覆が剥がれることがありますが、この状態で使い続けるのは危ないので買い替えが必要す。しかしMacBookの純正の充電器はそれなりのお値段ですので「このモデルをあと何年つかうだろうか」と考えると、なかなかつらいものがあります。
しかし一方でサードパーティ製の出自不明のACアダプタは品質面が心配なので、これはこれで躊躇します。
いまどきのMacBookのようにUSB-C端子で充電できるなら、それなりに信頼できそうなメーカーのACアダプタとUSB-Cケーブルの組み合わせで充電できるのでリーズナブルな価格で充電環境を揃えることが出来ますが、MagSafeのような独自コネクタでは、なかなかそういうわけに行きません。
そんな中で、Amazonのサイトを見ていたら、USB-Cで給電してMagSafeやMagSafe2に出力できるケーブルが販売されていることに気づきました。果たして、これらのケーブルがどの程度使えるだろうか、というのが、この記事の趣旨です。
ただし、ACアダプタやバッテリーについては、本来、純正品だけを用いるべきであり、その他の組み合わせの利用は事故が起きるリスクがあります。特に電源周りの事故は最悪の場合に発火する恐れもあるので、こういう実験はや運用は完全に自己責任かつ目を離さないようにして行うべきものであることに注意が必要です。
試してみるACアダプタとケーブルの組み合わせ
ACアダプタはAnker製の60W出力に対応したUSB-C 2系統のアダプタです。
試したケーブルはこれ。
このケーブルだけだとMagSafe2のMacBookには接続出来ないので、MagSafe→MagSafe2変換アダプタもつけています。最初からUSB-2をMagSafe2にするケーブルを買えばこういう変換アダプタは不要なのですが、手元にはMagSafeのMacBookもあるので、汎用性を考えて、あえてこういう組み合わせにしています。
接続時にMacBook側からどのように見えているかを確認する
macOSではシステムレポートの「電源」の箇所から接続しているACアダプタがmacOS側からどのように見えているかを確認できます。この組み合わせで試してみると、ワット数は85と表示されています。
今回使用しているAnkerのACアダプタは1系統の出力性能が60Wなので数値が明らかに違います。つまり、今回使用しているケーブルはスペック上のワット数を偽ってMacBook側に通知していることがわかります。類似のケーブルは、おそらくこういうフェイクを行っている可能性が高そうです。このフェイクがどのような問題を引き起こすかは、今ひとつわかっていません。
USB-C充電アダプタの給電状況を確認する。(このケーブルだけを接続した場合)
このケーブルだけを接続した状態では、19.4Vの電圧で給電が行われていました。電流量はPC側の電力消費状況やバッテリー残量の状態で変動しますが、100%充電時で1A〜2.5A程度の数値が確認出来ました。
なお、発生原因こを不明なものの、ケーブルを接続しても充電が行えないケースが発生したことがありますが、SMCとNVRAMのリセットを実施したら問題なく充電出来ました。電源周りのトラブルは主にSMCのリセットで回復する場合が多いので、うまくいかない場合でもケーブルの不良を疑う前に、これらのリセットを実施したほうが良いみたいです。(これは純正品のACアダプタでも同じことが言えます)
USB-C充電アダプタの給電状況を確認する。( ACアダプタ側のUSB-C端子を2つとも使う)
PowerPort Atom PD 2は、機器1台だけを充電するぶんには60W給電が可能ですが、機器2台の充電時は合計最大60Wとなるので、MacBook側に60Wを給電出来なくなります。すると、ケーブルのMagSafeコネクタ側についているLEDが緑-オレンジ-消灯、または緑-消灯を繰り返す状況が確認できました。
この原因がACアダプタ側にあるのか、それともMacBookの本体側から切り離されているのかは、いまいち調べきれていません(どうやって調べたら良いかわからない)。
そして、この状況は2つめのUSB-C端子にUSB-C→Ligntning充電ケーブルをさしただけの状態(iPhoneやiPadに接続しない状態)でも発生しました。つまり、このようなケーブルを使う場合は、ケーブルが前提とするスペックの給電状態が維持されることが必須のようでした。
おそらく、ケーブルは60W上限の給電をACアダプタ側にリクエストしているけれど、ACアダプタ側からはそのような給電を実施しなかった、という状況が起きていたのだろうと推測できます。
このようなケーブルの使用について言えること
60Wという電力を扱うのですから、やはり、この手のサードパーティ製品は安易に使ってはダメなシロモノだと思います。60Wと言えば白熱電球1つ分の電力。それを供給するのですから最悪の場合は燃えますし、MacBook本体が壊れてロジックボードの交換が必要になるかもしれません。そういったリスクを理解している方が、給電状況をテスターで可視化しつつ目を離さない状況で使うのなら自己責任の範囲かもしれませんが、知識のない方が安易にこういうケーブルに手をだしてはダメだと感じます。