pslaboが試したことの記録

はてなダイヤリーからはてなブログに引っ越してきました

この日記は現在実行中の減量記録を含む個人的なメモとして始めましたが、最近はコンピュータやガジェット、ハック、セキュリティネタのほうがメインになっております。

はてなダイヤリー時代はカテゴリ分けが適当だったのですが、これはそのうち直します。


Macbook Pro 2016 13inch を普通の 5V 2A なUSB充電器で充電してみた⇨不使用時ならOK。使用時は無理。

ノートPCの電源アダプタは3つ欲しいと思いませんか?

少なくとも自分にとっては3つがベストです。職場用、持ち運び用、自宅用。

外出先での一時的は持ち運び用を使うけど、会社や自宅で毎度毎度カバンから電源アダプタを出し入れするのは時間の浪費のような気がします。

だから、製品附属のものに加えて、あと2つ欲しい。

さて、Macbook Pro 2016 は USB-C で充電するわけですが、この充電仕様は USB-PD (USB Power Delivery) を採用しています。

今までのMagSafeは独自仕様だったから電源アダプタも高価だったけど、今後は標準仕様なのですからサードパーティ製品の利用もアリですよね。

また、USB充電器はすでに持っているケースが多いと思いますが、それらがMacbook Proの充電に使えるかどうかも気になります。

そこで、手持ちのUSB充電器が使えるかどうかを試してみました。

サードパーティ製品を使う場合に気をつけたいこと

ノートパソコンの充電に100均などのチープな製品を使うのは全くオススメしません。

最低限、充電器には十分なコストをかけるべきと考えます。そしてケーブルも品質が担保されているものを選ぶべきと考えます。

電源トラブルはGalaxy Note7のように、最悪の場合は燃えますから、これは本当にやばい。

USB-PD の仕様について調べてみる

さて、USB-PD の供給電力に関する仕様を調べてみると、http://www.usb.org/developers/docs で配布されている「Universal Serial Bus Revision 3.1 Specification (.zip file format, size 68.8 MB)」の中にある "USB_PD_R2_0 V1.2 -20160325 - ECN clean markup 20160802.pdf" の p.492 に "10.2.2 NormativeVoltagesandCurrents" という項目がありました。

ここに掲載されていた表を rewrite したのが以下の表です。

電力(W) 5V 9V 15V 20V
0.5 < x ≦ 15 x ÷ 5 - - -
15 < x ≦ 27 3A x ÷ 9 - -
27 < x ≦ 45 3A 3A x ÷ 15 -
45 < x ≦ 60 3A 3A 3A x ÷ 20
60 < x ≦ 100 3A 3A 3A x ÷ 20

USB-PD の仕様と Macbook の電源アダプタを比較してみる

さて、Macbook の電源アダプタの仕様を調べた上で、上記の表と比べてみましょう。

機種 ワット数
15inch Macbook Pro 2016 87W
13inch Macbook Pro 2016 61W
12inch Macbook 29W

うーん、ということは、Macbook Pro に使うなら、45W 以上の出力に対応した製品を使うのがよさげですね。Apple の仕様に合わせるなら 60W のものを調達できれば、13inch/15inch の両方ともいけそうな感じ。

ただしこれはあくまで使用しながら、の話。不使用時ならここまでの電力供給は当然不要なはずです。

実際にUSB充電器で給電してみる。

そこで普通のUSB充電器で充電可能かどうかを試してみました。使用した一式はこれです。

充電器は以前から使っていたもの。USB-Cケーブルは今回新たに購入したものです。電圧電流計も以前から使っているもの。

この組み合わせで試してみると、電圧 = 5.1V、電流 = 2.4A での給電が行われていました。つまり、約12Wですね。Apple の電源アダプタの 1/5 しかありません。

実際にやってみると、不使用時なら30分で10%くらい程度で充電できる感じです。緊急用としては許容可能な範囲。出張のお供にもっていって、寝てる間に充電するならアリかも。しかし使用時は当然ながらまったく充電できず、わずかながらバッテリーが減る始末です。

というわけで、非常用としてはアリだけど、使用しながら使うのは厳しいです。

ではUSB-PDでMacbook Proに給電可能なUSB充電器の妥当な選択肢は?

2016年12月時点で言えば、Macbook Pro に給電可能なUSB充電器で持ち運びに適したものは、Apple 純正品しかないと思います。

純正品以外のUSB充電器(AC側が電源ケーブルではないもの)で 60W 給電に対応したものを、いまのところ見つけきれていません。

60W 給電に対応しているのは、現時点ではおそらくはこういうドッキングステーションだけです。自宅で据え置きで使うなら悪くない選択でしょうけれど、ちょいとお高い。

これは45W給電なので、少々力不足ではあるけれど、Macbook Pro への給電はイケるかもしれません。ただしデザインはイマイチですけど。

あとは 12inch MacBook での利用を想定した製品ばかりが目につきます。13inch/15inch Pro のユーザには向かないかも。


というわけで、現時点でMacbook Pro 13inchのユーザが取りうる選択肢は以下の3つと思います。

  • Apple純正品のPro13inch向け61Wを買う。
  • とりあえず 2A 5V の普通のUSB充電器を使い、今後増えるであろうUSB-PD 60W 対応USB充電器を待つ。
  • 力不足なのはわかっているけど 12inch Macbook 向けを想定したUSB-PD充電器を買う。

なお、USB-PD 充電器を買う時は、ケーブルの組み合わせにも注意が必要です。ケーブル側のスペックが低いと十分な電流量が流れないので残念なことになります。