液晶が黄色く変色した古いノートパソコンをカラーキャリブレーションでなんとかする
液晶パネルは経年変化等で色味が黄色く変色することがあるようで、巷では「尿液晶」という言い方をするケースもあるみたいです。
手元のMacBook 2009 Earlyもそれなりに色が黄色く変色して表示されるようになってしまいました。
ただし、パソコンの場合はモニターのキャリブレーションを実施すれば、それなりに見れる程度に修正できる場合があります。
カラーキャリブレーションの基本についてはEIZOのこちらのページで詳しく説明されています。
キャリブレーションするとどこまで変わるのか?
以下の2枚の写真は、ツール(ColorMunki Photo) を使ってカラーキャリブレーションする前後の写真です。
こちらがキャリブレーション前。
こちらがキャリブレーション後。
カラーチャートだとちょっとわかりにくいのですが、比べてみると、白の部分がキャリブレーション前は黄色いことがわかると思います。また、右下のmacOSのUI部分の色味も違っていることがわかると思います。
キャリブレーションするにはどうすればよいか
カラーキャリブレーションの方法はつぎの2つしかありません。
- OSに添付される機能を使って目で見ながら色補正する
- キャリブレーション用のハードウェアを使って自動で色補正する
OSに添付される機能で目で見ながら色補正する
OSの機能で自力で頑張る方法は、2020年時点ではWindows7〜Window10はコントロールパネルから実施できるようでした。費用はかかりませんが、それなりに手間はかかります。 www.atmarkit.co.jp
macOSの場合は過去バージョンではガンマとホワイトポイントのカスタマイズが行えたと思ったのですが、現在のバージョンではホワイトポイントしかカスタマイズできないみたいなので、十分なキャリブレーションは難しいようです。(そもそもMacBook Proはカラーキャリブレーション済みで出荷されているので、利用者地震が調整するという考え方がないのかも)
キャリブレーション用のハードウェアを使って自動で色補正する
この方法は尿液晶の軽減の目的で実施するには少々コストパフォーマンスが悪いと思うのですが、キャリブレーション用のツールを使えば計測用のハードウェアとキャリブレーションソフトウェアを組み合わせるだけで自動的に色補正が完了します。
私が今回実施したのはこの方法ですが、計測ハードウェアによってカバーされる範囲が異なるようです。
- ディスプレイのみ
- ディスプレイ+プロジェクター
- ディスプレイ+プロジェクター+印刷
当然、カバー範囲が広いほど高価です。尿液晶の補正だけならディスプレイのみの補正ができるツールでよいかもしれませんが、一方で廉価モデルは測定器部分が経年劣化しやすいと聞いたことがあります。以下ではX-Rite社の製品のうち、ディスプレイのみ対応の製品を除外してリストアップしています。
なお、私が使ったことがあるのはX-Rite i1Display ProとColorMunki Photoだけなので、以下で紹介するのはX-Rite社の製品だけです。
ディスプレイ+プロジェクターに対応した補正ツールだと、次の3種類のツールがあります。
- i1Display Studio
- i1Display Pro
- ColorMunki Display
外観は全く同じなのでハードウェアはたぶん同一なのですが、機能は微妙に違うみたいです。ColorMunkiシリーズは廃盤になっているのですがi1Display用のアプリケーションでサポートされているので、メルカリ等でそこそこ割安に入手できると思います。
ディスプレイ+プロジェクター+印刷に対応したツールだと、次のようなものがあります。
- i1Studio
- ColorMunki Photo
この2つも外観も全く同じです。ColorMunki Photoもメルカリでかなりお買い得な価格でモノがでているケースがあり、新品でi1シリーズを購入するのに比べるとお安く入手できると思います。(ただし付属品のColorChecker Classic Miniが欠品している出品が多々あるようですから、ColorChecker Classic Miniも含めて使いたい場合は出品内容をしっかり確認してください)
私自身もColorMunki Photoをメルカリで購入し、macOSにi1Display Studioをインストールして使っているわけですが、個人で使うならこれで十分だろうと思います。(プロユースなら新品購入が必須でしょうけど)
買うほどのことではないけどなんとかしたい、という場合はi1Display Proやi1Studioをレンタルしてくれる業者もあるみたいなので、問い合わせてみると良いかもしれません。