Windows 10 の今後のサポートと提供内容について考察する。
Windows 11 が発表されましたが、「Windows 10 は最後の Windows と言っていたのに、最後じゃなかったのか?」みたいな話や、「Windows 11 をインストール可能なハードウェア要件に適合するのは直近3年くらいにリリースされた H/W に限られるのでは」みたいな話があるので、自分なりに内容を整理しようと考えました。
なぜ Windows 11 をリリースするのか。
これについては、ASCII の以下の記事の内容が参考になります。
https://ascii.jp/elem/000/004/060/4060506/
Windows を実行できる PC に対する線引きを行う際に、Windows 10 のままでは線引きがわかりづらいです。実は Microsoft は Windows 10 Creators Update (バージョン1703、ビルド15063) にて、一部の CPU (Clover Trail) をサポート対象から外したという前例があります。しかし、Windows 10 という製品名のママだと、このような線引きが行われたことが非常にわかりづらいですね。
https://www.sbbit.jp/article/cont1/35047
従って、今回のリブランディングのように、ハードウェア要件の線引きを明確にすることにより、その OS で利用可能なハードウェア要件がわかりやすくなります。
Windows 10 をインストールした PC はいつまで使えるのか?
Windows 11 でハードウェア要件の線引きを改めたということを考えると、今後の Windows 10 の機能更新プログラムでハードウェア要件をさらに絞ることはしないのではないかと考えます。
そして機能更新プログラムの内容は Windows 11 の機能を必要最低限の範囲に限ってバックポートするようなものになるような気がします。
そもそも Windows 10 には 2 種類のアップデート(品質更新プログラム、機能更新プログラム)が提供されており、機能更新プログラムを適用している場合は引き続き品質更新プログラムを利用可能でした。
しかし Windows 10 21H2 という機能更新プログラムとして開発されていたバージョンが Windows 11 にリブランディングされました。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1333729.html
そうすると、Windows 10 21H2 はどうなってしまうのか、ということが気になりますが、こちらの記事によると Windows 11 の一部機能を取り入れた形で Windows 10 21H2 としてリリースされるという趣旨の記載があります。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1333963.html
21H2 以降の Windows 10 機能更新プログラムの提供についてはなんとも判断しづらいのですが、少なくとも Windows 11 のリリースに伴い、Windows 10 のサポートは 2025/10/14 まで、という線引きが明確になりました。
これについて、Microsoft のサイトの情報を見ると、次のように記載されています。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/products/windows-10-home-and-pro
マイクロソフトは、2025 年 10 月 14 日まで、少なくとも 1 つの Windows 10 半期チャネルを引き続きサポートします。
従って、今後提供される機能更新プログラムを引き続きインストールする限りは 2025 年 10 月まではサポートが提供されます。
Windows 10 21H2 は少なくとも 2022 年 10 月まではサポートが提供されるはずなので、万が一、21H2 以降の機能更新プログラムが一部のハードウェアにインストールできないような線引きが行われたといても 2022 年までは利用できます。
では、仮に新たな線引きが今後の Windows 10 機能更新プログラムで実際された場合に線引きの対象となるハードウェアについて考えてみると、前回の線引きは Clover Trail (2012年) ですから、これ以降の CPU についてどこかの時点で足切りが行われることになると見受けられます。
ただ、ここで新たな足切りを設定すると、ハードウェアによっては10年を経過する前に利用できないという状況となりうるので、わざわざ新たな線引きを設けることはしないのではないかという気がします。
また、Windows 11 が直近 3 年程度のハードウェア縛りを設けている状況に対して Windows 10 側で新たに別の線引きを積極的に行う理由もないように思います。
微妙に不満が出るとしたら 4 年前のスペックの H/W を所有している場合かもしれませんが、そのスペックの機材で Windows 10 をサポート終了まで使い続けたらトータルで 8 年程度は使っていることになりますから、利用可能な期間としては十分すぎるようにも思います。